人間の筋肉の神秘

大きな筋肉(大筋群)の運動、たとえば歩行、速歩、ジョギングなどの持久的トレーニングと比べると、腹筋運動、腕立て伏せ、ダンベル体操などの小さな筋肉(小筋群)に強く負荷をかける筋カトレーニングは、心臓により大きな負担をかけることになります。心臓への負担度は、収縮期血圧(最高血圧)と心拍数の積で算出されますが、小さな筋肉を酷使する運動は、血管収縮反射が起こり、血圧も心拍数も高くなるので、「運動素人」には危険を伴います。また、小筋群の運動は、血流が途絶えやすく、疲労物質である乳酸がたまりやすいので、運動を長く続けることが難しいのです。

 

人間の筋肉では、最大筋力の3。%近くの張力を出すと、ほとんどその筋肉の血流は途絶えます。このように、ウエイト・トレーニングなどの筋カトレーニングでは、血管が圧迫されやすく血液が巡りにくくなり、脂肪を燃やすための酸素が不足するので、脂肪が燃えにくいのです。このような意味で、小筋群のみの連続運動はあまりお勧めできないということになります体脂肪率が低く、体重あたりの基礎代謝や安静時の代謝率が高いプロのスポーツ選手を除けば、除脂肪体重(筋肉と骨など)あたりのエネルギー代謝率については、持久的トレーニングを継続的に行っている人のほうが、ウエイト・トレーニングを集中的に行っている人よりもむしろ高いことが明らかにされました。持久的トレーニングでは、酸素を取り入れて、筋肉に輸送したり、脂肪を分解、利用する能力が圧倒的に良くなるので、スタミナ面にも充実感が出てきまそういう理由から、減量をアタマに置いた場合には、酸素を十分に使って脂肪がしっかりと燃やせる「有酸素運動」が最もお勧めなのです。有酸素運動は、大筋群のリズミカルな収縮を取り入れた運動であり、運動量が大きくなるだけでなく、筋肉のポンプ作用で血液が循環しやすくなるので、心臓への負担が軽くて済むのも特徴です。